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箱根外輪山一周

体力勝負の一人旅 No.103【箱根外輪山一周編】

【4日目・2006年10月15日 丸岳・長尾峠・三国山】

 突然、箱根外輪山一周メルマガの復活です。箱根外輪山一周は2004
年12月に始まり、2005年3月で途絶えてましたが、けりをつけるため
に本日最終アタックしてきました。

 箱根外輪山は1000~1200m級の山がリング状に連なっています。正
確に言うと外輪山は二重になっていて、外側が古期外輪山、内側が新
期外輪山です。この挑戦は古期外輪山を反時計回りに一周しようとい
うものです。実際には登山道が通っているところまでなので4分の3周
ぐらいでしょうか。では以下報告です。

 前回は乙女峠まで来たのでそこの登山口である乙女口までバスでや
ってきた。以前はここまで来るのにバスの乗り換えが必要だったらし
いが、土日だけは湯本から直通バスがでていた。
 立ち客が数名でるほどの混み様で、登山の格好をしている人が8割
ぐらいいる。他の山への登山口では7~8人が降りただけ。ほとんどが
乙女口で降りるのかと思ったら、降りたのは私を含めて4人だけだった。
 いっしょに降りた年配3人組みも、「乗っていた人はどこまで行く
んだろう」などと話していた。

 GPSの準備をしていると年配3人組みの1人から、「乙女峠の登山口
はどこですか」と聞かれる。数十メートル先にあることを説明したが、
確かに言われてみればバス停から見える範囲に登山口の案内がなくど
っちに進んで良いかわからない。箱根町役場に案内板の設置をお願い
すればいいことなのだろうか。

 登り始めて10分も経たないうちに調子が悪いか、体力が落ちている
ことがわかった。バスの中で始めて計算した今日のコース所要時間は
6時間40分。これはガイドマップ上の時間であり、休憩時間を加える
と7時間以上になる。つらい1日になりそうだ。

 空腹感があったためビスケットを食べながら登る。乙女峠到着は9
時38分。所要時間は35分だ。ガイドでは40分になっていたから5分早
いが、もっと早く登れるだろうと思っていた。今日の所要時間はガイ
ドマップの時間よりずっと早くなるという思惑はここで崩れ去った。

 ここから見える富士山は絶景ではあるが、雪のない富士山は迫力に
欠ける。やはりここへ来るなら冬がお勧めだ。
 次の山、丸岳へ向かう。ここからは尾根伝いなのでさっきより楽で
きるだろう。いきなり登山道が細くなり、メジャーなハイキングコー
スではなさそうだ。細い枝が顔に当たるのを振り払うようにして進ん
だ。人けのない、草木に覆われた山道を歩くのは不安だなと思ったが、
数分歩くと道幅が広くなった。それだけで一安心だ。
 尾根伝いであるが登りの角度がきつくなってきて息が上がる。パッ
と視界が開けたと思ったら、そこは丸岳山頂。芦ノ湖とこれから歩く
外輪山の山々が一望できる。外輪山の山々を見下ろす感じだったので
気が楽になった。

 そうは言ってもまだ10時20分、のんびりしていないで先へ行こう。
ビスケットのおかげで空腹感がなくなり、少しは体が動くようになっ
た。次の長尾峠は視界が悪く、ベンチもなければ坂の途中に『長尾峠
』の表示があっただけで、本当に峠なのかと思ってしまう。

 山深いところを歩いている気分なのに、さっきから心地よいエンジ
ン音が聞こえている。まるで富士スピードウェイの近くにいるかのよ
うだ。しかし視界は明らかに山の中、なんとも言えないアンバランス
な気分だ。
 やがて視界に道路が入る。この道は箱根スカイライン。長尾峠辺り
から箱根スカイラインと登山道が平行して走っている。ゴール地点ま
でエンジン音は聞こえ続けるだろう。
 見晴らしが利くところは公園になっていたりベンチが置いてあった
りするが、そこにいる人たちは登山客ではなくドライブ途中の人たち
だ。寒い寒いと言いながら写真を撮っている観光客から離れて、お弁
当を広げた。

 昼食後は少し眠くなってきた。ぼうっとしながらも湖尻峠を通過。
地図をいちいち広げるのが面倒なので、今日の行程の何割進んだのか
わからない。わかったとしても早く進まなければいけない事情があっ
た。
 目的地付近まで歩かないと家に帰ることができないのだ。最初はギ
ブアップした地点でバスに乗れば良いと軽く考えていたが、平行して
走っている道路は車専用道路。そんなところに路線バスが通っている
はずがない。最悪ヒッチハイクだな。

 左側には芦ノ湖が見え隠れする。縦に長い芦ノ湖に沿って登山道が
あるので、しばらくは左に芦ノ湖、右に芦ノ湖スカイラインになる。
やがてベンチが設置されている場所にやってきた。ここに座っても景
色は良くない。おかしいなと思い辺りを見まわすと『三国山1101.8m』
と書かれた杭があった。
 次に目指すは山伏峠。だいぶ足が重くなりペースが落ちる。下り坂
で中年夫婦とすれ違う。旦那さんを待っている奥さんが「三国山はま
だですか?」と聞くので、「すぐです。でも何もないですよ。見晴ら
しも悪いし。」と答えると、「この先にレストハウスがありますよ。
スカイラインの駐車場もあって食事もできるし景色がいいですよ。」
と教えてくれた。
 この情報に疲れが吹き飛び、下り坂とは言え早足で下っていった。
しかし下っても下ってもレストハウスは現れない。それどころかエン
ジン音が聞こえなくなっていた。口調からしてレストハウスが近くに
あると勝手に思い込んだだけだったのだ。確か、見晴らしがいいと言
っていたな。ということはこの後に登りが控えているだろう。そう思
った矢先に階段状の登りが見え、急に足取りが重くなった。

 どうにかこうにか開けたところにたどり着いた。にわとりやヤギの
鳴き声が聞こえてにぎやかだ。どうやらここが山伏峠、レストハウス
もある。時間は14時7分、三国山を通過したのが13時20分ごろだから、
中年夫婦に会ってからは40分くらいしか歩いていないようだ。しかし
随分と長い時間歩いた気がした。

 実は秘密兵器の女性用ストッキングを履いている。街道てくてく旅
で出会ったおじさんから教えてもらったマメ防止法だ。女性用ストッ
キングを履いてから普通の靴下を履いている。効果は歴然。いつもな
ら2、3時間歩くとマメができてしまうが、まだできかかっている程度
で痛みはない。今度はマラソン大会で試してみたくなった。

 徐々に高度を落としていくと辺りはススキに覆われる景色に変わっ
ていた。時折手に当たるススキの感触が気持ち良い。立ち止まってス
スキで頬をなでてみた。
 ススキがなくなると今度は杉の香りがしてきた。暗い杉林の中に突
入だ。聞こえてくるエンジン音は自動車から船のものに変わった。も
うゴールは近い。今日は昼ごろから足が重かったのに、それ以降極端
に悪化することなくよくぞここまでもってくれた。この粘りは自信に
なる。
 15時30分。道の駅を見下ろすポイントにやってきた。芦ノ湖と歩い
てきた外輪山も見える。丸岳は遥か向こうにかすんで見えた。人って
すごいなと自己満足の世界に浸る。外輪山一周を成し遂げたからこう
いう気分になれるのだ。
 あとは旧東海道の石畳を下って、箱根関所付近からバスに乗って帰
ろう。

歩いた距離 約18Km(GPS測定値)
10月15日(日) 関所跡

体力勝負の一人旅 No.062【箱根外輪山一周】

【3日目・2005年3月19日 乙女峠】

 前回、雪で行く手を阻まれて早2ヵ月半。小田原から見える箱根の
山々に雪がなくなり再挑戦の時が来た。初日は2つ目の山、明星ヶ岳
まで進んだので、今日はそこから明神ヶ岳、火打石岳、金時山、長尾
山を越えて乙女峠で下山したい。ガイドマップ上は6時間35分のコー
スだ。下山ルートの関係で金時山に登り始めたら乙女峠まで行く必要
がある。最低目標は火打石岳越え。金時山手前での見極めが重要だ。
 前回より20分ほど早い小田原発7時22分のバスに乗り込んだが予想
外の渋滞。そういえば3連休の初日だった。車内ではハイキング姿の
老夫婦が「電車にすればよかったかな。もう2本抜かれたよ。」と追
い抜いていく電車を横目につぶやいた。

 8時15分ごろ宮城野に到着。早速GPSのスイッチを入れ登山口へ向か
う。大文字焼きの『大』の字に雪はない、一安心だ。空は快晴、思っ
たほど寒くない。
 8時45分ごろ登山口から登り始める。30分で『大』の字に到着し視
界が開ける。富士山もきれいに見えるが、噴煙が上がっている早雲山
地獄と強羅の町の一望にデジカメを向けてしまう。外輪山の中で一番
標高のある金時山ははるか向こうに見えている。
 『大』の字を抜け、前回悪戦苦闘したシノダケの雪トンネルは跡形
もなく、歩きやすい道に整備されていた。あの苦労がうそのようにわ
ずか10分で明星ヶ岳のやや西に到着。これでようやく外輪山一周コー
スの先へ進むことができる。

 ここからは尾根伝いを反時計回りに進む。そこそこのアップダウン
はあるが尾根伝いなのでそれほどきつくない。2日前の雨でところど
ころがぬかるんでいる。人間、都合よく考えるもので、初日のように
一面雪のほうがきれいだったかな、なんて思ってしまう。
 だんだん暑くなってきて登り始めたときからは2枚も服を脱いでい
る。スタート時点では気温5度だったが今は15度。山の天気は変わり
やすいというが、気温もこんなに変化するとは思わなかった。リュッ
クは脱いだ服でパンパンだ。
 多少きつくなった登り坂を越えると3つ目の山、明神ヶ岳(1169m)。
尾根に出てから1時間20分ほどで到着。ガイドマップによれば成年男
子の標準時間が1時間30分なので、自分の体力に満足する。
 まだ10時50分ではあるがお腹が空いてきたので昼食にする。山頂は
かなり広く、私のほかに10名くらいが昼食の準備をしていた。
 歩いているうちは暑いくらいだったが、ここは下界からの風が強く
弁当を食べ終わるころにはすっかり冷えてしまった。水筒の暖かいお
茶を飲んだらすぐに出発だ。身支度をしてGPSを確認すると、地図上
の山頂は150mぐらい先らしい。GPSの誤差は数メートルなので地図が
間違っているようだ。

 明神ヶ岳からはしばらく風が強かった。歩いても歩いてもなかなか
体が温まらない。30分ほど歩くと風が治まったが、視界は悪くなった
。さらに15分ほどで4つ目の山、火打石岳の看板があった。しかしど
う考えてもここは山頂ではない。さらに直進すれば標高はもっと上が
るが、登山道は右に迂回するようなルートでやや下り基調。GPSを確
認しても山頂は直進方向だ。どうやら登山道が山頂を経由していない
らしい。
 火打石岳の案内板を読んでいると、向こうから7人ぐらいのおばさ
んたちがおしゃべりしながらやって来た。「そろそろ12時だからお昼
にしましょうよ」「あまり先に行くと風が強くなるから、少し先の広
いところで食べない?」
 ここの山を熟知しているベテランさんらしい。次回来るときは私も
そうしよう。

 山頂と思わしき山を左に見ながら登山道を進むと、北斜面になった
のか雪が目立つようになった。そこを抜けるとすぐ近くに切り立った
金時山が見える。しかし金時山へは一度下ってから登ることになる。
その下った部分はシノダケに覆われていて、まるで巨大迷路を上から
眺めているように登山道だけがくっきりと見える。
 下ったところが矢倉沢峠で下山の判断ポイントだが、14時には金時
山に到着しそうだ。もちろん金時山を目指す。

 登り始めると急に岩場に変わった。今までにない急斜面だ。岩に手
を掛ながら登るところもある。
 13時45分、金時山(1213m)到着。切り立った山だけあって360度視界
が開けている。明神ヶ岳では曇っていて見えなかった富士山もここで
は顔を出してくれた。
 外輪山の中で一番人気のある山だけあって山頂には20人ぐらいいる
。これまでの山と違って2軒の売店があり、日本酒を買ってずいぶん
いい気分になっている中年グループもいた。私もベンチに座りお茶に
するが、風があり寒くなってきたので15分後には下山し始めた。

 下り始めは急な岩場が続く。鎖やロープが張ってあり、それにつか
まりながら下りていく。金時山山頂から見下ろした尾根伝いを下るだ
けと思っていたので、登りになったときにはおやっと思ったが、その
先に少し開けた場所があり「長尾山(1144m)」の看板が立っていた。
GPSで現在地を確認すると、ここも地図上の山頂と100mぐらいずれて
いる。
 そこから10分下ると乙女峠。地元では富士山のビューポイントとし
て有名なところだ。なにやらにぎやかな話し声が聞こえてきた。富士
山に背を向け、見晴台に立つ4人の中年女性。こちら側には被告人席
のような囲いのある撮影場所が設けられていて、カメラを構えた中年
男性がいる。
 そこに私が現れたものだから、「撮ってもらったら」と女性たち。
そんな声はお構いなくデジカメを操作しているが、女性陣も負けじと
「被告人どきなさい」なんて言っている。見かねて「撮りましょうか
」と言うと、「撮ってくれはるって、早くゆずりな」と女性に言われ
カメラマン交代。撮り終わると、女性から「撮りまひょか」。もしか
して関西人?と思い聞いてみると、京都から車で来たそうで、出発は
なんと今日の朝5時。明日もあさってもハイキング三昧で3連休を終え
るというから超ハードスケジュールだ。

 富士山を堪能した後、一足先に下って行った関西人を追いかけるよ
うに下り始めた。関西人は歩いているときもにぎやかで、姿が見えず
とも声が聞こえる。すぐに追いつき、追い越していっても、はやり頭
上で声が聞こえ続けた。
 15時15分。今日のゴール地点、乙女口バス停に到着。時刻表を見る
と1時間に1本しかないバスが数分後に来るが、小田原行きはなく乗換
が必要だ。調査不足だったなと思っていたところに、先ほどの関西人
到着。
「鉄道の駅でよければ乗っけていってあげるよ」
と声を掛けられ便乗させてもらうことに。
「どこに泊まるのですか?」
と尋ねると、
「伊東」
「どのルートで行きますか?」
「その前に温泉に行きたいんだけどいいとこない?」
と言われ、湯本温泉を案内することにした。
 車中で箱根駅伝の質問や温泉の質問に答え、観光案内をしながら湯
本温泉まで同乗させてもらった。「いっしょにお風呂に入っていかな
い?」と誘いを受けたが、それはお断りをして日帰り温泉入口でお別
れした。

3月19日(土) 乙女口

体力勝負の一人旅 No.061【箱根外輪山一周】

【2日目・2005年1月2日 明星ヶ岳】

 前回の反省を踏まえ7時39分小田原発のバスで宮城野へ向かう。8時
20分ごろ宮城野に到着し、登山口近くの老人ホームのトイレを借用。
朝早いとお腹の調子が悪くなる悪い癖だ。この老人ホームはハイカー
用にトイレを貸してくれていて、登山道に「老人ホームのトイレが使
えます」と書かれた看板があった。非常にありがたい。

 8時50分ごろ登山口から登り始める。よく晴れていて今日も山々がく
っきり見える、最高だ。
 頂上まで65分と書いてあったから10時前には着きそうだ。はやる気
持ちを抑えながら大晦日に降った雪に覆われた登山道を登っていく。

 高度差300mぐらい登ったところで、30日に通ってしまった立ち入り
禁止区域に到達。正しい登山道は左に曲がっているので、どこで合流
するのだろうかと思いながらそちらに進む。
 背丈より高いシノダケの中を登山道は進む。10分ほど歩くと前方の
視界が開けた。早くも尾根に着いたのかと思ったら大文字焼きの『大
』の字の横棒の右側に出た。説明では横棒の長さは108m。あとで調べ
たら京都のそれは80mなのでこっちのほうが長かった、意外だ。
 登山道は横棒を3分の1ほど歩いて、上のシノダケの中へつながって
いく。まさにシノダケの中だ。ところどころにシノダケのトンネル。
シノダケの上には雪がどっさり。はいつくばってクリアーする。気付
けばこの辺りは足跡がない。やがて雪に押しつぶされたシノダケのト
ンネルも現れた。上を越えるしかない。そうやって雪にまみれながら
進んだが、ついにシノダケに視界を閉ざされてしまった。もう先へは
行けない。もしかするとこの道は使われていないのかもしれない。立
ち入り禁止区域が本道だったのかもしれない。と思いながら無理せず
ユーターンする。
 戻るにしてもまたはいつくばるのはごめんだ。運良くはいつくばる
トンネルまで戻る前に抜け道を発見。『大』の字の2画目の上部のよう
だ。ここを下りれば横棒につながる。しかし、かなり急だし雪に覆わ
れていて滑り落ちそう。文字の縁はシノダケがあるので、それにつか
まれば行けるかも。
 行ってみるとシノダケが生えているところと文字の部分の地面は同
じ高さではなかった。シノダケにつかまれるところは下への斜度だけ
でなく文字側への斜度もついている。冷や冷やドキドキで何とか下り
た。

 結局、30日に通ってきた立ち入り禁止区域の急斜面を登ることにし
た。30日よりも雪が積もっているのが幸いし歩きやすい。下りの足跡
があるので一安心。
 30日に設営していた無線中継所から箱根駅伝の無線の声がでかでか
と聞こえる。いとも簡単に頂上付近まで来たようだ。
 視界が開け、見覚えのある尾根。しかしその手前数メートルのとこ
ろにまたもや雪に覆われたシノダケのトンネル。潜るスペースはない
し、乗り越えようとすると下半身が雪に埋まる。埋まった足の自由は
きかない。後ずさりするのが精一杯。金剛杖で雪落としを試みるが、
問題は雪ではなく中途半端に垂れ下がったシノダケ。
 尾根が見えるというのに進めない。たとえここを突破しても他の下
山ルートも同じ状況ならヤバイことになる。だからあきらめるんだと
自分を説得し、泣く泣く下山することにした。
 ファミリーコースとはいえ、雪が降ったあとは行くものではないら
しい。そうなると再チャレンジは当分先になりそうだ。

 登山口まで戻って来たがまだ11時10分。このままじゃ帰れない。箱
根駅伝を観戦してから帰ることにした。登ってきた山を見上げると、
白い大文字が良く見えた。

 20分ほど歩いて駅伝コースに到着。すごい人だかりだ。そろそろ選
手が来るのかと思ったがそうではないらしい。人だかりの中心は行列。
行列は富士屋ホテルのパン屋につながっている。お目当てはシチュー
パン。イベント会場さながらで「シチューパン500個達成目前」などと
イベント盛り上げ役のアナウンサー?までいる。同じ会場に駅伝の順
位ボードが設置されていて、駅伝連動企画で大賑わい。
 肝心の選手はまだまだ小田原中継所を通過していないので、国道1号
線を下りながら選手が来るのを待つことにした。

 30分歩き、宮ノ下駅、大平台駅を通過したがまだ来ない。次の駅、
塔ノ沢までは遠いが、ここまで来たら歩いてしまおう。
 結局、選手を応援したあと塔ノ沢駅も通過し湯本駅まで歩いてしま
った。登山口からは2時間あまり、8Kmちょっと歩いた。山と駅伝、悔
しいけど楽しい半日だった。

1月2日(日) 湯本

体力勝負の一人旅 No.060【箱根外輪山一周】

 次の旅は箱根です。今までとは趣を変えて箱根ハイキング、初の登
山に挑戦です。と言いながらも”挑戦”には値しないかもしれません
ね、歩くのは家族向けのハイキングコースですし、すべて日帰りです
から。
 箱根のどこを歩くかですって?それは外輪山です。箱根外輪山一周
に挑戦します。
 箱根外輪山って?昔々、箱根火山が陥没して鍋の縁のようにとり残
されたのが外輪山だそうです。1000~1200m級の山頂がリング状に連な
ってます。一周の距離は知りませんが2日ぐらいで歩けるそうです。私
は山に不慣れなので3日ぐらいかかるでしょう。

 では初日の結果を報告します。

【1日目・2004年12月30日 塔ノ峰・明星ヶ岳】

 快晴の中、出発地点の箱根登山鉄道塔之沢駅に到着。箱根の山々が
くっきり見える。こんないい天気ならもっと早く出発すればよかった
と毎度のことながら後悔する。もう10時40分だ。

 箱根外輪山には古期外輪山と新期外輪山があるらしい。今回挑戦す
るのは古期外輪山で塔ノ峰・明星ヶ岳・明神ヶ岳・火打石岳・丸岳・
三国山・山伏峠・鞍掛山・大観山・白銀山など連なっている。反時計
回りでこの順に進むことにした。

 登山の楽しみ方を知らないので苦痛に感じないようお遊びツールを
購入した。それはハンディGPS。携帯電話ぐらいの大きさで、あらかじ
めルートを登録しておけば、ルートと現在地を画面で確認できる。さ
らに歩いた場所を記憶することができ、パソコンに取り込めば軌跡を
地図にプロットすることも可能だ。

 塔之沢駅の標高は165m。最初の山、塔ノ峰は566m。一気に登るのか
と思いきや、紅葉しているもみじの間を縫って最初の2、3分はぐんぐ
ん下る。右下には箱根駅伝コースにもなる国道1号線、大渋滞だ。
 登り始めるとすぐに石段。山腹にある阿弥陀寺につながっている。
案内板には『花の寺阿弥陀寺』と記されている。石段の横にある石仏
は一輪挿しを抱えているように見える。その石仏には宝永四年と彫ら
れているから古くから花の寺だったようだ。
 やがて正面に6体の地蔵が道をふさぐように置かれている。不思議に
思いながら、脇を抜けて石段を登っていく。

 11時15分、阿弥陀寺到着。この時期なので花は見当たらなかったが
珍しいものを発見。賽銭箱の上にある鐘の代わりに「百万遍轉法輪(て
んぽうりん)」というものが釣る下がっていた。木でできた直径50cmぐ
らいの車輪に大きな数珠のようなものが巻かれていて、数珠のような
ものを下に引くと車輪が回るようになっている。百万遍轉法輪の解説
がないのが残念だ。

 塔ノ峰はメジャーなハイキングコースではないらしく分かれ道に案
内板がないところがある。道が狭くなったり、木が横たわっていたり
したらミスコース、戻るしかない。高度計が400mを越えた辺りからそ
の繰り返しになった。
 今度の道は整備されているし、石仏が一体あったし間違えないだろ
う。快調に進むがそれは斜面が緩やかなせいだ。方角は山頂から遠ざ
かっている気がする。こんなときこそGPSだ。
 ヤバイ。コースから外れている。しかもまったくの逆方向だ。さっ
き断念した道が正しかったのかと、途中で引き返したことを悔やみな
がら急いで戻る。
 分岐点に戻り断念した道に再チャレンジ。横たわっている気を潜っ
たりして進むが、ついには行き止まり。なくなくGPSを見て引き返した
地点まで戻る。そこからわずか1分歩くとヘアピンカーブ。山頂に向か
い始めた。GPSが間違っていたのではなく地図に載っている登山道が間
違っていたようだ。地図が間違っているなんて思いもしなかった。や
はり登山は勝手が違う。
 12時30分、塔ノ峰到着。途中、ポツンポツンと残雪があったが、山
頂は雪がなく地面は乾いていて腰を下ろせる。ときどき杉や松の枝に
積もった雪が落ちてくるが、その下で昼食にした。
 『仏舎利を安置した宝塔が阿弥陀寺から発見されたため塔ノ峰と名
付けられた』と説明板に書かれている。小田原に30年以上住んでいな
がら、塔ノ峰や塔之沢の名の由来を初めて知った。箱根は奥深し。

 次は標高924mの明星ヶ岳。塔ノ峰を下っていくと車道にぶち当たっ
てしまった。明星ヶ岳の登り口までは車道を進まなければいけないよ
うだ。向こうから登山姿の2名がやってきた。初めてハイカーと会うの
が車道だった。
 車道を900m歩くと登り口。そこに入ろうとすると車道から声が掛か
る。
「これから登るの?」
50歳ぐらいの男性だった。
「そうです」
「小田原から歩いてきたけど意外と雪は少なかったね。でもこの先は
雪がいっぱいだよ。これから登るんだったら明星ヶ岳で止めておきな

と忠告された。小田原から歩いてくるぐらいだからこの辺りの山には
詳しそうだ。そういう人の意見は聞いたほうがいいだろう。
「そうします」
と言って、13時15分に登り始めた。

 おじさんの言うとおりで登り口から一面が雪。しかも急斜面で蛇行
して登っていく。まだここは塔ノ峰よりも標高が低いのになぜ雪が多
いのだろう。そんなことを考えながら登りきって振り返ると、相模湾
が一望。ちょっぴり感激。登山の楽しさを少しかじった気がした。
 尾根伝いに進むと今度は東名高速らしきものが見える。目を疑った
が間違えなく東名高速の大井松田IC付近だ、足柄平野から相模湾まで
が一望だ。

 明星ヶ岳までは尾根伝いに進むだけだから楽だと思っていたが間違
えだった。尾根伝いと言ってもアップダウンを繰り返す。かかとに靴
擦れができた。それでも誰もいない雪景色の中をザクッザクッと踏み
潰していくのは気持ちがいい。
 鉄塔が見えてきた。そろそろ頂上だろうか。鉄塔の上にはテレビカ
メラ。箱根駅伝を撮影するためのカメラと電波の中継基地を設営して
いるところだった。鉄塔の脇に『明星ヶ岳924m』の案内板。14時30分
到着。
 少し早い気もするがおじさんの忠告どおり下山することにした。案
内板に従い宮城野への下山口に入るが、道を覆い隠すように笹のトン
ネルができている。かがんだり、杖で払いながら進む。あまりこのル
ートは使われていないようだ。
 少し歩きやすくなったなと思うと今度は急斜面。滑る滑る。ついに
尻餅。リュックの中のカメラは大丈夫だろうか。急斜面が終わると右
から道が合流している。合流したあと振り返ると、立ち入り禁止の看
板。下りてきたところは立ち入り禁止区域だった。

 15時13分、宮城野の登山口まで下りてきた。一足先に下山していた
ハイカーが5、6人いた。舗装路を15分歩きバス停に到着。ここにもハ
イカーが2人。山は早めに下りるのが鉄則のようだ。次回はこのバス停
から1時間30分かけて500mぐらい登らないと、明星ヶ岳に着かない。朝
早く出発しないと登り下りに時間をとられ、ちっとも一周できやしな
い。

12月30日(木) 宮城野