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北東北編

体力勝負の一人旅 No.128

 読者のみなさんこんにちは。約2ヶ月ぶりの発行です。

 今年の夏の北東北編を楽しんでいただけましたでしょうか。6日間の
総走行距離を記載するのを忘れましたので、いまさらながらデータを
まとめました。

総走行距離 498Km

かかった費用 約10万円
費用の内訳
 宿泊費 46,000円(二食付き3泊、朝食のみ2泊)
 交通費 34,000円
 飲食費 9,000円
 自転車輸送費 4,000円
 その他 7,000円

 次の自転車旅行はゴールデンウィークになりそうです。行き先はも
ちろんお四国。それまで半年あるので「1日限定歩き旅」をやろうかと
思っています。またいつの日かメルマガが届くことを期待して待って
いてください。ごきげんよう、さようなら。

体力勝負の一人旅 No.127【北東北編】

【6日目・2007年8月3日】

 田沢湖に行くつもりだったが方向の違う後生掛温泉に来てしまった
。送迎バスに乗せてもらったところまでは標高差400mの下りなので、
そこまで戻る手もあるが、別に日本一周をしているわけではないので
そうまでして連続性を維持することもない。
 縁あって八幡平の標高1000m地点にいるのだから田沢湖を諦めて八幡
平を満喫しよう。八幡平を越えれば盛岡は近い。今日中に着くだろう
。台風の影響で明日は大雨らしいので今日を最終日にしよう。

 宿の横には火山観察のための「後生掛自然研究路」がある。地表か
ら煙りを吐いていたり、沼がぶくぶくしている様子が見られるのだ。
まあ箱根の大涌谷のようなところだ。そこを散策してから10時に出発
したが、階段を登るだけでも足がパンパンだった。

 まずは八幡平の山頂を目指す。この登りが今日の唯一の難所だ。多
分500mぐらい登れば良い。2年前に日本ロマンチック街道を通って日光
へ行ったときは1500mぐらい登っているのだから、今日は楽に越えてい
いはずだ。
 しかし強烈な斜度が延々と続く。しかも直射日光を受けて暑い。登
り始めから参ったなと思った。斜度は日光のときと比べてどうかはわ
からないが、だいぶ疲労がたまっているようだ。決して年のせいでは
ないと思うようにした。

 300m登った辺りから雲が出てきて「参った」というほどの暑さでは
なくなった。じっくり自分のペースでいけばよいのだが、ずっと気に
なっているのがスズメバチ。路上に止まっていたり、私の回りをぐる
ぐる飛んだりしている。ちなみに昨日は路上のスズメバチを踏み潰した。
 八幡平の最高地点、見返峠に2時間かけて登った。標高差は550mだっ
た。ハイキングコースがあり、頂上まで2Kmないようだが歩く気はまっ
たくなかった。

 八幡平を下って盛岡へ行くには2つのルートがある。一つはアスピー
テライン、もう一つが樹海ライン。今日は無理しないと決めたので、
「楽なほう」を選ぶつもりだ。
 宿で聞いたときには、どちらも下るだけと言っていたが、地図を見
る限り樹海ラインは途中に登りがありそうだ。なので、下りだけと思
われるアスピーテラインにするつもりではいた。
 しかし峠の八幡平ガイドさんに尋ねてみるとアスピーテラインのほ
うがきつい登りがあると言う。どちらにしても下るだけではなかった。

 選択したのは樹海ライン。こちらの斜面は辺りが暗くなるほど雲っ
ている。下り始めるとあっと言う間に寒くなった。
 眼下に露天風呂が見える。ガイドブックの秘湯コーナーに登場する
藤七温泉だ。路上から丸見えでさすがに誰も入っていなかった。
 斜度10%の下りが続く。最高速度61.1Km/hを記録してかっ飛ぶ。車は
アスピーテラインを使っているようで、まったく抜かれない。対向車
もたまに現れる程度で気持ち良い。
 気になっていた登りは多分3箇所あった。どれも斜度はきつかったが
長い登りは1箇所だけで難所ではなかった。

 標高400〜500mぐらいだろうか、ここまで下ると山道ではなく小さな
町中を走る感じ。まだまだ下っているが向かい風が強くて平坦を走っ
ているようだ。いつの間にか雲がなくなり、ここからは暑さと風との
戦いだ。30分走るとだれてきて休みたくなる。
 国道282号線を経由して国道4号線に入る。すると暑さと風から解放
された区間があった。道の両側に木が植わっている。街路樹というよ
り林の中に道を作った感じだ。これで生き返った。

 15時50分、盛岡に到着。盛岡はさんさ踊りの期間だ。今夜はお祭り
を楽しもう。
 最新の天気予報でも明日大雨と強風。自転車旅行は完全に今日で終
了。今回は天気に恵まれて雨男返上だったが、出発のときには予期し
ていなかった台風の接近。これで東北の干上がったダムが潤うことだ
ろう。

8月3日(金) 盛岡 本日の走行距離 79Km

体力勝負の一人旅 No.126【北東北編】

【5日目・2007年8月2日】

 温湯温泉は国道から少し入ったところにある。近くにはこけし館や
落合温泉など他の温泉もある。国道に戻らず、その辺を散策しながら
十和田湖を目指すことにした。
 そういえば昨日ここへ来るときに「1億円の純金こけし展示中」の案
内を見た。『1億円』で誰でもピンとくるのが『ふるさと創世』。もし
そうなら、こんなものに使っちゃって、と思った。

 黒石はこけしの里で、温泉街には公衆電話ボックスのようなものに
入った大きめのこけしがいくつかあった。こけし館は温泉街の規模か
らすると立派すぎる気がする。近付くと変なポスターが。
『1億円の純金こけしのオーナーを全国に募集します』
 まさかと思ったが、理由は想像したとおり黒石市の財政難だった。
売却を検討中らしい。そこで市から買い取ろうというわけだ。正直、
そもそも作ったのが間違えだと思った。

 館内に入って話を伺うと、やはりふるさと創世だったが私が思うよ
うなおろかなことではなかった。市民から1億円の使い道をだしてもら
ったところ純金こけしが一番だったそうだ。そのときは5年で換金する
計画だったが、テレビでも取り上げられ反響が大きくなり、こけしで
残すことになったそうだ。
 再び今回のことをテレビで取り上げられ評判になり、良いのか悪い
のかと困惑の様子だった。

 今日は十和田湖を経由して鹿角の先の温泉まで行く予定だ。碇ヶ関
経由で鹿角に行くルートもあるが、碇ヶ関は2度通過したことがあるし
峠を1つ越えなければならない。ならば十和田湖の峠越えも労力は同じ
、景色が良い方を選んだ。

 宿を出てから延々と登り。峠越えはつらいけど楽しい。昨日不調だ
った心拍計は直ったようで、心拍数管理をしながら登って行く。
 晴れているが雲が多く、それほど暑くない。山中なので強風はない
し、川沿いに走っているのでときおり吹くと涼しい。サイクリング日
和だ。
 標高差500m弱を登って十和田湖外輪山の滝の沢峠に着いた。そこの
休憩所で多分メニューにはないがお姉さんにおにぎりをにぎってもら
った。他に観光客がいなく、バイトの女子高生は居眠り中。
 この先は十和田湖まで下るだけなのか確認するつもりでお姉さんに
「ここが一番高いんですかね」と尋ねると、「発荷峠よりも50m高いは
」と答えてくれた。
 そうだ外輪山は出るときも越えなければいけなかったんだ。

 湖目指して一気に下る。標高差30mぐらい下ると十和田湖が見えた。
しまった、滝の沢峠の展望台に行きそびれた。せっかく登ってきたの
にと後悔しながら十和田湖をちらちら見ながら下った。
 1時間ほどで発荷峠に到着。標高計では280m下って、220m登ったようだ。

 発荷峠からは国道103号線を下る。多分、11年前に逆ルートで使った
道だと思う。そのときの印象は静かで奥入瀬渓谷よりも遥かに空気が
おいしかった。
 しかし本当に同じ道かと思うほど拡張され、直線化されていた。当
然交通量が多くなり、当時の良さが失われた。

 ストーンサークルなるものに寄り道したせいもあるが、鹿角に着い
たのが16時半。湯瀬温泉までは7Kmぐらい、八幡平温泉郷までは17Kmぐ
らい。
 明日のことを考えると通り道にある八幡平が良い。コンビニで立ち
読みし、八幡平の一番手前の宿の電話番号を記憶した。よし、八幡平
へ行こう。

 今ごろになって暑くなってきた。西日がもろに当たる。17時なのに
路上の表示は32度。まあ今日3つ目の峠のつもりだったが、わずかに登
っている程度なので何とかなりそうだ。
 残り4、5Kmぐらいだったろうか、斜度がきつくなってきた。しかし
もうカウントダウンだ。少しペースアップして18時ちょうどに志張温
泉に到着。
 ところが閉鎖されていた。事前に電話すべきだったが、予約して辿
り着かないとまずいのでしなかった。ホテルの前には電話ボックスが
ある。よしそこから別のホテルに電話しよう。
 しかし電話は稼働していなかった。まだ日は明るい。先へ行こう。
それしかない。あてのない走りだった。

 1時間半走ってコンビニ発見、情報収集だ。八幡平温泉郷は広範囲に
点在している。今いるこの場所からとうてい行ける宿はない。鹿角か
らは400mぐらい登ってきた。宿はさらに300〜400m登らなければいけな
い。すがる思いで、さっき見かけた広告看板のホテルに電話した。
 予約は取れた。あとは送迎を頼み込んで宿を確保。

 明日は早めに宿を確保して、無茶は禁物だ。

8月2日(木) 後生掛温泉 本日の走行距離 99Km

体力勝負の一人旅 No.125【北東北編】

【4日目・2007年8月1日】

 初めての良い天気。最高気温が30度を超すらしい。出発するとき民
宿のおばさんが「暑いからこれ持っていきな」と冷たいデカビタCを
くれた。
 いつまでも玄関先で見送ってくれるおばさんの姿が見えなくなって
、さあっとペダルを踏み込んでスピードメーターに目をやると0Km/h。
あれっ!電池切れか。いや交換したばかりだ。走行時間は3秒になって
いる。ということは3秒だけ正常に動作していたということか。
 とりあえず止まって点検するがよくわからない。10分ぐらいいじっ
たが諦めて出発する。今までおおよそではあるが機能していた表示が
いっさいなくなるとなるとつらい。もう適当に走ろうと、なげやりに
なってしまった。
 ところが数分そのまま走っていると突然回復した。不思議だがほっ
とした。

 今日は南下して野辺地へ行く。そこから国道4号線を西へ、浅虫温泉
を経由して青森市へ。八甲田山を迂回するように八甲田山の西を通っ
て黒石温泉郷を目指す。
 距離的には余裕がありそうなので状況によってはもう少し先を目指
すかもしれない。

 野辺地に向かう直線道路は小刻みなアップダウンがあるが、大型車
がどんどん私を抜いていくのでいい感じで走れる。心拍計を見ながら
150を超えないように走った。
 ところが突然心拍数が223に。起動しなおしても変わらない。線路が
並行しているのが影響しているのかもしれない。まあ心拍計はなくて
も大した問題ではないだろう。

 浅虫温泉に向かう国道には100mごとに目印があったので、スピード
メーターのタイヤ周長を正確に測ってみたら仮設定した長さで間違え
なかった。

 暑いので食欲がなくなる前に早めに食べた。11時前だが路上の温度
表示は25度。昨日までは午前中は19度ぐらい、午後の暑いときでも23
か24度だった。
 暑いが快調に浅虫温泉に到着する。以前宿泊したホテルを見たくな
って温泉街に寄り道したが、悲しいことに閉鎖していた。周囲は道の
駅ができたり、日帰り温泉施設ができたり、賑やかになっているよう
に見えるのだが。
 
 青森市内に入ると気温30度の表示。確かに暑いが汗がだらだらでは
ない。方向の定まらない強い風が汗をあっと言う間に乾かしてしまう
。蒸し暑さの不快感はないがだれてくる。
 市街に入り交通量が多くなると、気温表示は32度。車が気温上昇を
もたらすことを実感した。
 強風は完全に向かい風になった。左折、八甲田山の案内板が見える
。山に入れば風は収まるだろうから行ってみたくもなる。しかしこの
暑さで水分補給に失敗すると山は怖い。結局おじけづいて行かなかった。

 青森市街は非常に走りづらい。車からみれば私は非常に邪魔な存在
だ。左のレーンがバスレーンになっているがバスの多いこと。2台も3
台も連なっていることもある。当然停留所に停まるので、私は右レー
ンに入ってバスを抜きたいが、右レーンは結構大型車が走っている。
ペースが上がらないしとても疲れた。

 国道7号線に入り弘前方面へ向かう。バス地獄からは解放されたが強
烈な向かい風が残る。7号線はバイパスなので大型車が向かい風を遮っ
てくれることだろう。
 ところがバイパスでの走行はつらいものになった。とにかく前には
進まない。腰を上げてスピードに乗せようと思ってもだめ。向かい風
の性だと思うがそれだけでもなさそうだ。完全にスタミナが切れた。
トラックに抜かれても、その風に乗るだけのスピードがでない。もう
あとは淡々と走るしかなかった。
 バイパスなので日陰がなく、景色を見ても上っているのか下ってい
るのかもわからない。平坦と思えるところでがんばっても時速10Kmに
満たない。まだ14時台だ、先は長い。黒石温泉が余裕ではなくなった。

 黒石が近づきバイパスを降りた。少し左に方角を変えたので向かい
風から解放されるかと思ったがそんなことはない。周囲はたんぼで風
を遮るものがない。こんなところに丁寧にも風速表示版があった。南
西の風6m。
 青森から弘前は完全に南西。風速6mと言ったら時速に直すと21.6Km
ではないか。八甲田山にしておけば良かった。いや、そもそも八甲田
山の東を通って十和田湖に行けば良かった。と思った。

 バイパスを降りてから道に迷った。暑くて考えるのがめんどうだ。
でも漕ぎ続けるのもかったるく、ちょこちょこ止まっては地図を見た
。2001年発行の地図では国道なのに今は県道になっている。結局、そ
のままの方向に走り続けた。

 方向さえ間違わずに走り続ければ何とかなるものだ。十和田湖方面
の案内に従い、黒石温泉郷に到着した。幸いにも最初に訪ねた宿に泊
まれることになり助かった。
 気が付けば喉が痛む。熱中症かな。たっぷり水分補給して明日はゆ
っくり出発しよう。

 小さな温泉街を黒石ねぷたが巡回してきた。夏だなぁ。

8月1日(水) 温湯温泉 本日の走行距離 106Km+α

体力勝負の一人旅 No.124【北東北編】

【3日目・2007年7月31日】

 今回なぜ下北半島を選んだかというと、日本三大霊場で唯一行って
いない恐山に行きたかったからでもあるが、コンビニがあまりない不
便なところを走りたいと思ったからだ。最近の旅ではお腹が空けばコ
ンビニにより、喉が渇けばコンビニか自販機ですぐに調達できていた
。もちろんまれに調達できずに困ることはあったが、便利さに頼りき
っていた気がする。そういう旅に飽きたわけではないが、10年以上前
の自転車旅行を始めた当時の不便さを味わってみたくなったのだ。
 それで目的地を恐山と下北半島の西にある仏ケ浦にした。そのあと
は現地で考えるつもりだが、余裕があれば田沢湖に行きたいと思って
いた。

 予想どおり仏ケ浦周辺にはコンビニがない、さらに自販機もそう頻
繁には見かけなかった。
 宿のおばさんに「仏ケ浦までアップダウンが続くんですか」と尋ね
ると、「いや上りだけだよ」と言う。
 おばさんの回答を参考に宿の自販機で500mlのペットボトルを1本買
い、8時54分に出発した。7Kmぐらいで仏ケ浦だし、上りに備えて荷物
を増やしたくなかった。

 30分で仏ケ浦駐車場に到着する。奇岩が続く仏ケ浦の海岸を眺める
ための駐車場だ。北海道から来たという50代の夫婦に話しかけられ少
し話し込んだ。別れるときに冷えたオレンジを1つもらった。四国で
なくてもこういうことがあるんだなと思った。非常にうれしかった。
 そこから5分ほど坂を下ると仏ケ浦に行くための駐車場だ。仏ケ浦ま
でオレンジを食べながら15分ほど歩いた。
 見学を終えて駐車場に戻る途中の売店で立ち止まった。パンは売っ
てなさそうなので水分補充だけするか考えた。しかしまだペットボト
ルに7割ほど残っているし、気温19度の曇り空なので補充しないことに
した。次の部落は「牛滝」で10Kmはないだろう。そこで食料などを調
達しよう。
 しかし行ってみると牛滝の部落は道沿いにない。今は山中にいる雰
囲気だが、牛滝はここから海岸まで下るみたいだ。これから先は当分
上り坂と戦わなければならないので、わざわざ下れない。
 そこを通過すると上る一方。斜度は今回の旅の中では中の上だが、
距離が長い。11時を過ぎたし何か食べたい。こういうときのために常
備しているカロリーメイトを食べようと自転車を止めた。脱いだウィ
ンドブレーカーの汗を飛ばそうと大きく振った。そのときハチの気配
を感じた。スズメバチだ。慌てて自転車にまたがり山をヒーヒー言い
ながら登った。ハチがついてきていないのを確認してやっとカロリー
メイトを食した。
 走り始めて何の気なしに振り返るとハチが悠然と後方を飛び回って
いる。スズメバチではないがスピードアップして振り切った。そんな
ことをしているうちに空腹感がでてしまった。
 そのうち水分も残り少なくなってきた。この山道ではまったく自販
機を見かけない。望んだとはいえ、つらい。地図を確認し、自販機が
あるとしたら次の分岐点だと思った。

 予定しているルートはこのまま国道338号を南下し下北半島の南西端
である脇野沢へ行く。分岐点から先も山道で、15Kmぐらい先にある道
の駅まで水分も食料も補給できそうにない。すでにだるくなっている
のでそこまで持つとは思えない。
 分岐点に自販機がなければ脇野沢行きを断念せざるを得ない。分岐
点で別の道を進めば5Kmで川内湖の道の駅だ。

 分岐点に来たが自販機はない。脇野沢は悔しいけど諦める。
 分岐点まで山を登ってきたが川内湖側に少し進むと、さっきまでの
山道とは打って変わって、野平という地名のとおり高原が広がってい
る。
 水分を飲み干して道の駅に到着。何を食べようかと思い巡らせなが
ら建物へ、しかしなんと定休日の札が下がっている。道の駅に定休日
があるとは想像もしていなかった。自販機があったのはせめてもの救
いだ。

 10Km弱進んで部落発見。ここでようやくパンを調達できたが、空腹
のはずなのに食欲がでない。2個食べたがエネルギー的には不足してい
ると思う。
 道の駅からはずっと下りなのにスピードが乗らない。向かい風のせ
いか、スタミナ切れでパワーがでないのかと思っていた。しかし道の
駅から30Km弱進んだところで後輪のブレーキシューがリムに当たって
いることがわかった。かすかに接しているだけだったが、直してから
は気持ち良く走れるようになった。

 脇野沢に行かなかった後ろめたさから、今日のゴールを少し遠めに
設定した。今は14時半だが45Km以上先の横浜をゴールにした。
 久しぶりに見つけたエネルゲンを飲んでからは尻上がりに調子が上
がる。17時ごろ横浜駅に到着。駅前の案内図で民宿の場所を確認して
もう少し進む。
 しかし、見落としたようでなかなか民宿が見つからない。次の村は
25Km先の野辺地。もう17時20分だが、行けると思うほど復調していた。
 野辺地目指して進んで行くと、見落としたと思っていた民宿を発見。
そこでお世話になることにした。

7月31日(火) 横浜 本日の走行距離 推定99Km

体力勝負の一人旅 No.123【北東北編】

【2日目・2007年7月30日】

 宿坊の建物の中に温泉大浴場があるが、宿坊の建物とは別に境内に
温泉施設が3つある。施設といっても脱衣所と浴槽だけの小屋だ。それ
も山門をくぐった道の両脇にある。なんとも不思議だ。
 昨夜は懐中電灯を片手にそこへ挑戦した。自分で小屋の明かりを点
け、入り口のクモの巣に気をつけながら中に入る。しーんとした中で
ときおり風に揺れて戸がガタガタと音をたてる。風呂から上がっても
シャワーや水道がないので、部屋に戻っても体から硫黄の匂いがプン
プンする。
 それが良かったのか、朝起きると旅行前に発生した首のあせもが治
っている。手の皮膚荒れもかなり良化している。温泉効果に驚いた。

 朝のお努めに参加する。説教を楽しみにしていたがそれはなく、地
蔵殿と本堂の2か所で祈祷が行われた。宿泊代には祈祷料が含まれてい
るのであの価格になるのだろう。

 テレビなどでおなじみの風車がくるくる回るあの場所へ行ってみた。
この感じがまさに私が想像する恐山だ。

 出発前に昨日の石の道標について尋ねてみた。ただしくは丁塚とい
い、明治が始まる数年前、恐山千年祭のときに作られ124丁まである
とのこと。実際には盗まれたり、除雪車が壊したりしたので、昭和に
なって補ったものがかなりあるそうだ。赤い頭巾のことを言うと、「
ガイドさんにもよく言われます」と言っていた。

 10時に出発する。来た道を戻らず、山を越えて薬研温泉へ向かう。
きつい坂だと覚悟していたが昨日ほどではなかった。恐山の外輪山を
越えてからは一気に下った。その勢いで薬研温泉より2Km山側にある
奥薬研温泉まで来てしまった。ここには無料露天風呂「かっぱの湯」
がある。その名のとおりかっぱの像が露天風呂にあった。
 寄り道はこのぐらいにして、津軽海峡に面した大畑町まで下った。
しかし海からの向かい風で下りなのに体力を使ってしまった。
 大畑の町をぶらぶらしてから本州最北端を経由して仏ケ浦を目指す
。仏ケ浦までは50Km以上ある。今12時20分なのでとりあえずは30数キ
ロ先の本州最北端の地である大間崎まで行って考えよう。

 6年前に来たときより道路が広がり、ショートカットルートもでき
ている。まだ工事中のところもありさらに大間崎ルートが車にとって
便利になりそうだ。
 標高100mに満たない峠を越えたあとは、ちょっとした坂はあるが割
と平坦基調の道が続く。しかも追い風に乗って、足が良く回る。1時
間20分足らずで大間崎へ着いてしまった。
 ここへ来たのは3度目だが、「本州最北端の地」の碑の前に自転車
を運んで記念撮影。ところがあまりの強風に自転車が倒れてしまいそ
う。走っている時はこれほどまで強風だったとは気づかなかった。祈
祷のおかげで神風に押され続けたと思い神に感謝する。いや待て、恐
山はお寺だから神ではなく仏様だ。

 この時期にこの場所、自転車やオートバイで北上してきた人たちが
集まってくる。着いたときには2人だったが、20分ほどすると6〜7人
になっていた。東京の人、岩手の人、名古屋の人、様々だ。皆20代に
見える。若い。北海道へ向かう彼らと「がんばろう」と励まし合い、
握手をして別れた。前に進んでいるときは皆素敵だ。

 90度進行方向を変えて南下する。一番気になるのは風。海からの風
は吉と出るのか凶とでるのか。しかし道は海から離れ山へ向かう上り
坂。きつい。坂もきついが向かい風だ。山というより丘の上へ出たよ
うで風を遮るものがない。しばらく我慢すると標高を下げ海が見えて
きた。そして風を感じなくなった。

 ちょっとしたアップダウンをこなしながら佐井村を通過。ここには
宿が数件あるがまだ15時を少し回ったばかり。仏ケ浦まで24Km。足の
動きが鈍くなっているが行けるかもしれない。
 大間崎で仕入れた情報によると、次に宿がある地域は長後。佐井村
と仏ケ浦のちょうど中間だ。長後から先はきつい上り坂があるとも言
っていた。
 ところが民宿の看板を見かけた磯谷という地区を抜けたら小刻みで
きついアップダウンの連続になった。下りながらも次の上り目がけて
漕ぐ。私が一番きらいなパターンだ。
 体力をだいぶ消耗したものの、いつものように下りでスピードに乗
せ、平坦区間を一気に駆け抜けたが、そこが長後だった。目の前には
上り坂、ブレーキをかけるわけにはいかない。勢いで長後を後にして
しまった。時計を見ると16時ちょっと過ぎ、まだ行けると思った。

 今度の上りは手ごわかった。さっきまでのようにアップダウンの繰
り返しではなく登りっぱなし。海が見えなくなりどんどん山奥へ。も
う足が動かない。恐山より斜度がきつそうだから13%以上はあるだろ
う。
 抜いて行く車がスピードを落として声を掛けてくれる。コーナーの
先でその車が止まっていた。工事中で交互通行になっているようだ。
なんと工事のためアスファルトを剥がしダート区間になっていた。な
んでこんなときに。工事のおじさんからは「押した方が早いんじゃな
い」と冷やかされる。
 標高差200m近く登ったところでようやく下り坂。いつまた上りにな
るのか不安だったが、左側が谷になり正面に海が見えたので、海まで
下ることを確信し一気に下った。

 下り切っても仏ケ浦まではまだ6〜7Kmはある。こんな山道だととて
も無理だ。そう思っていたら民宿の看板を何軒か発見。この村に泊ま
ろう。
 16時49分、宿決定。ほっとした。民宿の部屋で地図を開き、ここが
福浦であることを知る。仏ケ浦に民宿が数件あると思い込んでいたが
、ガイドマップを良く見ると数件あるのはここ福浦だった。ここを通
過していたらとんでもないことになっていたかもしれない。
 今日は薬研温泉を出てからほとんど地図を開かなかった。反省せね
ばならない。

7月30日(月) 福浦 本日の走行距離 推定97Km

体力勝負の一人旅 No.122【北東北編】

【1日目・2007年7月29日】

 小田原駅6時44分発の新幹線で出発し、下北駅に着いたのは13時5
分。恐山菩提寺の宿坊を予約してあるが、17時までには到着するよ
うに言われている。かなりの山道だろうがここから20Km弱なので余
裕だろう。

 下北駅から15分ぐらい歩いて、自転車の送付先であるヤマト運輸
に到着。速足だったが汗がでないほど涼しい。頭上は曇っていて恐
山は雲の中。先ほど宿坊へ電話したら霧雨だという。

 自転車を組み立て14時36分にサイクリング開始。まずは田名部駅
跡へ向かう。もう10年以上前、本州最北端を目指した帰りに自転車
旅行を断念し帰ることを決めた想い出の場所だ。もう廃線になって
いるが6年前に来たときは駅舎が残されていた。

 走り初めてすぐにスピードメーターの表示が0Kmになっているこ
とに気が付いた。電池切れだ。さっそく電池を買い発信器の電池を
交換したがだめ。それならばと受信機側を交換したそのとき、しま
った、電池を抜いた瞬間にさまざまなデータがリセットされてしま
った。特に大切なのがタイヤ一周の長さ。このデータがないと走行
距離もスピード表示も不可能。とりあえず206Cmに設定したが、走
りに影響がでそうで不安だ。

 建物の陰に隠れてひっそりと三角屋根の駅舎が残っていた。久し
ぶりに訪れて以前と変わらない景色を見るとなぜかほっとする。そ
ういう特定の場所を全国に何カ所持てただろうか。

 さあ、恐山だ。15時13分に田名部を出発する。あと15Kmぐらいだ
と思う。山道に入るが意外に斜度が緩い。気温が低いことも助かっ
ている。路上の温度表示板は18度。
 道端には石の道標が一定間隔で置かれている。かなり古いものら
しく漢数字での距離表示で単位は丁。カウントダウンしているので
お寺までの距離なのだろう。だんだん霊場らしくなってきた。自転
車の距離表示が当てにならないので、道標を当てにしたいが、道標
に赤い頭巾がかぶせられており十の単位の漢数字が見えない。下一
桁のカウントダウンを繰り返すだけで使い物にならなかった。

 しだいに斜度がきつくなったのか、スタミナ切れなのか、スピー
ドダウン。心拍数は160を超えたままだ。九十九折りでなく見通し
がきくので斜度が緩く見えてしまうようだ。やがて斜度11%の表示
が現われた。もう初日から目一杯だが本当に涼しくて助かった。気
が付けば霧雨というか霧の中。
 峠を越えたらしく下り始めたと思ったら下りの斜度も半端じゃな
い。12%表示だ。下り切ると、左手に湖、そして三途の川に架かる
赤い橋が見えて、硫黄のにおいがしてきた。あぁ恐山に来たんだな
と思った。

 16時29分、菩提寺に到着。入山券売り場で宿坊のことを尋ねると
、「自転車で見えることを聞いています」と言って宿坊のフロント
までの行き方を丁寧に案内してくれた。フロントに行くと旅館に来
てしまったのかと思うほどのもてなし。女中さんのような人がいて
部屋まで案内してくれる。「お荷物を持ちましょうか」とも言われ
てしまった。通された部屋は15畳と4畳半の二間。四国のお寺との
雰囲気の違いに驚いた。料金は二食付きで12000円。宿坊としては
高価だが、温泉もあるし旅館だと思えば高くないかもしれない。

7月29日(日) 恐山 本日の走行距離 推定18Km

体力勝負の一人旅 No.121

 読者のみなさんこんにちは。

 今年の夏は恐山です。下北半島です。明日出発します。初日に恐山
菩提寺の宿坊に泊まり、自転車で下北半島を周ります。

 ゴールデンウィークの『四国自転車遍路旅』は体力も体調も芳しく
なかったので、今回はゆとりある旅をするつもりです。

 それではみなさん行ってきます。