体力勝負の一人旅 No.138

 読者のみなさんこんにちは。

 夏です。毎日ツール・ド・フランスをテレビ観戦して意気込みはバ
ッチリです。

 今年の夏は北海道。意気込みはバッチリといいながらも、年々暑さ
に耐えられなくなってきたため北海道で暑さを凌ぎます。
 そうは言っても広い広い北海道。決して楽な旅にはならないでしょ
う。帯広から道東を巡って女満別を目指す9日間の旅。出発は7月26日(
土)です。

 それではみなさん行ってきます。

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最近のコンビニ


 コンビニは変化している。

 我が家の近くにはセブンイレブンがある。毎朝そこで新聞を買っているので店長
とは顔なじみ。

 今日ジョギング帰りに立ち寄ると、入れたてのカフェをサービスしてくれた。
 セブンイレブンが販売するコーヒーメーカーのようなもののキャンペーンで、お客様
に配っている。しかし、それが営業風ではなく、私が尋ねなければコーヒーメーカーを
販売していることすらわからない。単なる新商品「カフェ」の試飲かと思った。

 数ヶ月前の大雨の朝、こんなこともあった。
 いつもは出勤途中に慌ただしく新聞を買いに行くのだが、その日は遅い出勤だった。
セブンイレブンの店内でも、私がいつもと違って慌てていないことに気づいたのだろう。
「時間があれば飲んでいきませんか?」
と新商品の粉末スープにお湯を注いでくれた。さらにその粉末1袋を新聞の入った
レジ袋に入れてくれた。

 コンビニの出始めのときは商店街の敵という風潮であったが、ここのセブンイレブンは
完全に地域に根ざすことを意識し、近隣の方からも信頼される店になっている。

 お年寄りの家に商品の宅配をしたり、電子マネー「nanaco」を店で預かっておき、
お年寄りが手ぶらで買い物に来たりしている。

 ここのお店がオープンしてから22年ぐらい経っている。地域に根ざすにはそれなりの
時間が必要なのだろう。

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小指骨折治らず

四国自転車遍路旅から帰ってきて早1ヶ月。夏の旅行に向けてトレーニングしたい
ところですがドクターストップ。

昨年12月に右足小指骨折、今年2月には左足関節靭帯損傷で松葉杖。
松葉杖がはずれた3月には骨折も治っていてよさそうなのに痛みひかず。
レントゲンを撮るとなんとうっすら亀裂が!

それから1ヶ月、テーピングをして過ごし痛みが和らいだもののレントゲン
を撮ると完全に骨が離れていた。また骨折ということ。

そんな状態で自転車遍路に行ってきたが、その後スポーツ禁止の命令が
下る。

そしておととい再度レントゲン撮影。医者は「人間ってすごいなぁ」と感心
していたが、関節を一つこしらえてしまったのだ。
つまり、折れたというより分断された骨の角がとれ丸みを帯び、骨と骨の
間は関節と同じくらいの隙間が空いていた。

小指なのでこの状態でも痛みさえなければまったく問題はない。しかし
その痛みが若干ある。まだスポーツを再開していなくても若干痛むのだ。

スポーツを再開したときどのくらい痛むかが問題だ。

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体力勝負の一人旅 No.137【四国自転車遍路旅パート2】

【18日目・2008年5月7日】

 もう最終日になってしまった。この周辺は札所が密集して札所の近
くには駅もある。だからどこでやめても良いので気が楽である。
 宿のおかみさんに「ヤマト運輸の営業所を知ってますか」と尋ねた
ら76番の近くにあるという。しかも駅の近くだ。ここで終わると好都
合だ。
 これから74番に戻ると言ったら「荷物を置いていきな」と言われそ
うさせてもらった。

 74番甲山寺(こうやまじ)に8時28分到着。宿からたったの6分と近い。
6年前と少し違うと思ったら駐車場側に新しい山門ができていた。これ
で車から降りてすぐに境内に入れる。
 平日のこの時間だとお遍路さんはまばらだ。境内に座ってスケッチ
しているおばさんがいた。今日はのんびりスケッチできるだろう。

 75番善通寺を打ち、宿で荷物を受け取り金刀比羅宮へ向かう。おか
みさんに教えてもらった近道を使って約20分で到着。往復1時間50分か
けて一番上の奥社まで行ってきた。1368段だ。良いトレーニングにな
るぞ。

 地元の人からお勧めのうどん屋を2軒紹介してもらった。76番方面な
ので都合よい。15分ほど走って1軒目。なんと臨時休業の札。もう1軒
あるさと思ってさらに5分、まさかの臨時休業。まだ12時30分なので
76番ヘ向かった。
 その途中金蔵寺駅に寄った。お寺まで歩いて数分のところにある。
特急が停まらないのでここから帰れるか時刻表のチェックだ。しかし
予想外にも無人駅だった。これではクレジットカードで切符を買えな
い。
 駅にある地図でヤマト運輸を探すと、こちらも予想外でお寺の裏に
あった。とりあえず76番金倉寺(こんぞうじ)に行こう。

 甲山寺でスケッチしていたおばさんがここでもスケッチしていた。
納経所に行くと珍しく順番待ち。といっても大勢並んでいるのではな
く1人で7~8冊の納経帳を持ってきている人がいるのだ。しかたなく境
内へ出た。
 しばらくするとおそらく同じ理由で納経所から30代後半の女性が出
てきた。どこかのお寺で見かけた女性だ。ちょうど良かったので写真
撮影をお願いすると、「善通寺にもいましたよね?」
 彼女は知り合いの車と歩きを混ぜたお遍路さん。
「友人に誘われて80番から始めたの」
「もうじき1周?」
「この周辺だけ、順番もばらばら。今日東京へ帰るんだけどもう少し
行けば86番までつながるの。スタンプラリー感覚よ。」
「どうやって帰るの?」
「夜行バス。知り合いのお母さんに乗り場まで乗せてもらうの」
「僕は新幹線だからそこで自転車を送って終わり」
 彼女は地図を開いて、
「次のお寺まで3.8Kmよ。新幹線だってまだ大丈夫じゃない」
「そうだけどそこへ行くとまた次、次ってなっちゃうから」
 そんな会話をしてお互い「気をつけて」と言って別れた。

 ヤマト運輸に行き5Kmほど離れた特急が停まる多度津駅まで自転車を
取りに来てくれるか尋ねたらOK。多度津まで行こう。
 多度津駅は77番道隆寺の近くなので遍路道を進む。すると前方にさ
っきの女性。声をかけると「あれっ、なんでいるの」という感じでび
っくりしていた。事情を説明し、また「気をつけて」と言いお別れし
た。

 多度津駅到着は13時55分。自転車の分解作業をしていると「また会
いましたね」とさっきの女性。77番を参拝してからここへ来たのだか
ら歩きもなかなか早いものだ。
「お腹がすいたから食べるところがあると思ってきたんだけど」
 特急停車駅だから普通そう思う。
「僕もうどん食べたいと思ったんだけどないんだよね。」
 会話は続くものの私は分解作業で大忙し。
「そこの食堂は?」と彼女。分解作業しているすぐ横の怪しげな食堂
で中はまったく見えない。彼女が様子を見に行って、
「ランチは14時までって書いてある。」
「それじゃあもうだめだね」と私。
「ランチ以外なら食べられるのかな」と彼女。
「なんかあるんじゃない。駅の向こうに喫茶店みたいのがあった気は
するけど。」と言って線路を挟んだ逆側を指差した。
「分解作業も大変そうね」
「うん、1時間ぐらいかかるんだ。駅のところに地図があるからお店載
っているんじゃない。」と軽く言ってしまった。
 彼女は地図の方へ歩いていった。また戻ってくると思ったが今回は
別れの挨拶をせずにそのまま消えてしまった。
 時間があればいっしょに食事して話も聞きたいと思っていたが残念
だ。最後の最後に後悔することをしてしまった。

おわり

5月7日(水) 多度津 本日の走行距離 29.4Km
今回の総走行距離 283.8Km

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体力勝負の一人旅 No.136【四国自転車遍路旅パート2】

【17日目・2008年5月6日】

 お遍路宿の朝は早く6時に朝食。歩き遍路の人たちは7時前に全員出発、おかげでいつもより早い7時50分に出発した。
 少し肌寒い。気温13度。標高240mから910mまで登るが、途中売店はおろか自販機もない。暑いときは大量の水を用意しておかなければならないルートだ。

 最初からそこそこきつい登り。標高430m付近で走ってきた県道から細い道へ入る。帰りはここに戻ってくるので軽量化作戦実行。これで多少は楽になったがそれでも重い感じがする。
 もしやと思い後輪のブレーキを外してみた。すると少しではあるが軽く感じる。どうやら登りなど力がかかるときにブレーキシューがリムに当たっていたようだ。今頃気付くなんて情けない。

 やがて尾根伝いを通る道になる。ところどころに高原野菜畑が見える。気のせいかもしれないが6年前より畑が少なく思えた。
 9時38分、66番雲辺寺に到着する。ここで宿のお接待でいただいたおにぎり2個を食した。こういう場所だけにありがたい。
 ここの納経は両手使いだ。納経はお参りに来た証拠として、墨でご本尊と寺院名などを書いてもらう。私の場合は掛け軸に書いてもらうが、書いてもらったあと自分でドライヤーを使って乾かす。これが結構面倒なのだ。
 驚いたことにここでは、右手に筆、左手にドライヤー。書いたその場から乾燥工程に入っている。「もう巻いて大丈夫ですよ」と言われて掛け軸をもらう。乾燥工程は私がやっていたのよりはるかに短時間だ。両手使いだけでなく墨の量の調整もうまいからできる技だろう。

 帰りは飛ばしたいところだが車1台分の道幅で、タイヤのあとをトレースしないと砂利が浮いていて危険。とてもアウトインアウトの走りはできない。
 荷物を置いた地点に戻り、ここから県道を下っていく。今度こそ飛ばせると思ったが、山の下から吹いている風でスピードダウン。

 67番大興寺、68番神恵院(じんねいん)、69番観音寺を打ち70番本山寺に到着する。久しぶりに立派なお寺だ。そう思わせたのは五重塔があるからだろう。

 71番弥谷寺(いやだにじ)を終えてまた時間との勝負になった。72番曼茶羅寺(まんだらじ)に着いたのは16時47分。次のお寺までは1Km。しかたなく裏技を使う。
 72番の納経だけ先に済ませすぐ73番へ向かった。73番到着は16時58分。6年前の記憶と入口が違っていたので山門付近でうろうろしていると、戻ってきたお遍路さんが道案内してくれる。そして「走らないと間に合わないよ」。
 納経所到着は17時2分だったがまだ開いていた。その上自転車で来たと言ったらお寺の人が150円くれて、
「お接待です。そこの販売機で好きなの飲んでください。」
さらに善通寺のおすすめ宿まで紹介してくれた。

 72番に戻って参拝する。そして枯れた不老松のその後が気になった。境内に不老松と言われる松があったのだが、6年前はちょうど松食い虫にやられ葉が茶色になって死んでいた。
 今そこには枝垂れ桜があり、その前には不老松の幹を彫って作られたお大師様がいた。こうして不老松は後世に残る。

 お寺お勧めの宿に泊まった。部屋には生け花が飾られ、おかみさんの親切心が根底にあるサービスなどお遍路宿のイメージががらっと変わった。

 宿から見える善通寺の五重塔がライトアップされ浮かんでいる。町の人が1口5,000円払いライトアップしている。宿のおばあちゃんも1口払っていて「四国で一番高い塔よ。JRから見るときれいよ」と、町のそして住人のシンボルなのだろう。

5月6日(火) 善通寺 本日の走行距離 81.4Km

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体力勝負の一人旅 No.135【四国自転車遍路旅パート2】

【16日目・2008年5月5日】

 朝食はバイキングで6時30分からだがかなり混むらしい。どうせ63番、64番を打つため30分ほど西へ行き、ここ西条に戻ってくることになるのだから、朝食前に身軽な状態で行ってしまおう。そうすればレストランも空くだろう。

 お寺での納経は7時開始なので6時30分に出発予定だったが6時50分になってしまった。この旅初の雨。弱い降りだが天気予報では午前中は降り続け、そのあと回復するらしい。
 63番吉祥寺(きちしょうじ)、64番前神寺(まえがみじ)を参拝して8時20分にホテルに戻ってきた。カッパを脱ぐと汗でびっちょり。ホテルで着替えられたので、朝食前の参拝作戦は成功だ。
 早くも天候が回復してきて傘はいらないほどの弱さになっている。

 レストランはまだ混雑していた。朝食を済ませ部屋に戻り昼寝ならぬ二度寝。
 今日は標高910mの66番雲辺寺が必達目標。宿坊がないのでチャレンジしてタイムオーバーは決して許されないのだ。過去のデータから逆算すると9時に出発すれば余裕を持って到達できる。朝食前に1時間30分を稼いでいるので10時30分に出発すればい。そう思っての二度寝だったが10時50分の出発になってしまった。
 雨は上がり路面は乾いている。これから向かう山の方は雲がかかっていてまだ一雨きそうな予感がする。とりあえず伊予三島駅方面へ向かう。

 最初の1時間は妙に体が重かった。なかなかスピードに乗らない。1時間30分走ったら休憩する予定だったが、そろそろギブアップ寸前。それがなぜか急に調子がよくなった。変わったのは路面が滑らかになったことぐらい。でもそれは大きなことかもしれない。
 自動販売機の前で座って休んでいる女性がいた。日焼け防止のためか大きめの帽子をかぶり長袖だ。横には荷物をたくさん積んだ自転車が置いてある。お遍路さんかと思ったが、自転車はママチャリで棒傘まで備え付けてある。ただの自転車旅行者かもしれない。
 今度は私が休憩しているときにさっきのママチャリ旅行者がさっそうと通り過ぎて行った。なかなかのスピードだ。いっしょに走りたいと思ったが私はこの先で山に入り、今走っている国道とはお別れ。恐らくママチャリ旅行者ともう会うことはないだろう。

 標高480mの65番三角寺を目指す。途中、工事中か何かで迂回の案内表示がありそれに従って坂を登って行く。畑の中を通る農道だ。昨日の横峰寺への坂に比べればたいしたことはない。
 三角寺到着は14時4分。6年前のデータと見比べて余裕度を確認するがデータを見て慌てた。6年前は雲辺寺まで3時間30分かかっている。途中30分ぐらい寄り道したから実質3時間。6年前は夏だったのでそれを差し引いても2時間30分で行けるかどうか。これから三角寺を参拝するのでかなりきわどい。

 三角寺を出発しようとしたら「うわぁすごい乗って来たんだ」と女性の声。あのママチャリ旅行者だった。
「私は1Km手前で自転車を置いてきちゃいましたよ。帰りに見て見て右側に置いてあるから。」
「1Km手前まで自転車で来たの?ママチャリじゃなかった?」
「そう1万円のママチャリ。」
「ずっとママチャリで回ってきたの?」
「そう。壊れるって言う人もいたけど今のところ大丈夫」
 まだ20代には見えるがその体力と気持ちに恐れ入った。次のお寺でも会えるかなと思ったが、彼女の今回の旅は今日で終了。参拝したら川之江へ戻って徳島まで帰るそうだ。

 お寺を出て下り始めるが、来た道と今下っている道が違うのだからママチャリを目撃するはずがない。車に負けないスピードで下っていると「あっママチャリ」、ということはこの道を登ってくるべきだったのかもしれない。
 さらに進むと見覚えのある場所。来るときに通った場所に見えるが。地図を見ても現在地が分からない。6年前に使った古い地図を見ると「しまった」、かなり愕然とした。道を間違えたのだ。三角寺から下らずにさらに登って峠を越えるのが近道であり6年前のルートだ。もう標高差200m以上は下ってしまった。戻れない。これで万事休す。三角寺で降り始めた雨がかっぱを来たくなるほどの強さになり、気持ちがなえた。
 この雨では川之江へ下って宿泊し明日出直そうかと思ったが、そんな楽をしてはいけない気になる。もとはと言えば自分がいけない。朝からのんびりしていたし、2回目の余裕からか事前にルートチェックを怠っていた。前へ進もう。

 88か所のお寺ではないが宿坊のあるお寺までやって来た。しかし駐車場であった車遍路さんに、「今は宿坊やっていないわよ」と言われた。その人の持っているガイドブックで近くに宿があるか探してくれたが見つからなかった。
 雲辺寺方面で1軒だけある民宿に電話したら空いていたのでほっとした。ここがだめならば川之江に下りるしかなかったのだから。
 宿に着いたら「運がいいね」と宿のおじさん。歩き遍路のキャンセルがでたおかげだった。しかも私が電話した数分後にも自転車遍路から電話があり断ったそうだ。
 悪いことも良いこともある一日だった。

 今日ぐうたらしてしまったので、明日は気合を入れ直すぞ!

5月5日(月) 佐野 本日の走行距離 74.1Km

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体力勝負の一人旅 No.134【四国自転車遍路旅パート2】

【15日目・2008年5月4日】

 昨夜23時過ぎ、2階から車が落ちたようなかなり大きな音がした。
ブレーキ音が聞こえなかったから「落ちた」と思ったが交通事故だろ
うか。カプセルホテルの宿泊客は誰一人外へ見に行こうとせず私以外
全員カプセルに入っている。窓から外を眺めたが軒が邪魔して道路が
見えない。気にはなったが明日の準備を優先して外へは行かなかった。
 しばらくすると救急車のサイレン。やはり事故だった。外へ出てみ
るとカプセル以外の普通の部屋の泊まり客が十数人ほど集まっていた。
このホテルは一部がカプセルになっている変わった形式のホテルなの
だ。ホテルの前の道路は中央分離帯のある片側二車線。片側に事故車
が2台、1台は横を向き、1台は進行方向の逆を向いている。1台の救急
車は逆を向いた車の脇で1人手当をしている。反対車線の路肩付近で
もう1台の救急車が1人手当をしている。そちらのほうが重症でかなり
泣きわめく女性の声が聞こえる。
 警察もやじ馬もどういうぶつかり方をしたのか状況が分かっていな
い。私は早々にカプセルに戻ったが悲惨な事故だった。

 翌朝9時34分にホテルを出発。遅くなったのは下痢になってしまっ
たからだ。激坂が待ち構えているというのに不安でならない。
 59番国分寺までは10分足らずで到着。参拝を終えるまでは良かった
が、さて出発と思った時にお腹が・・・。自転車を置いてトイレへ行
こう。
 その途中、タオルなどの販売店の前でお店の人に声を掛けられた。
「お接待です。どうぞ。」
 その人のお接待の声はさっきから聞こえていた。何を渡していたか
は知らないがそれ欲しさで通りかかったと思われたくない。でも何を
お接待してくれるのだろう。
「歩きですか」
「いや、自転車です」
「どうぞアイスクリン食べてってください」
とアイスクリンを接待してくれた。下痢しているときに、とは思った
が冷たくて生き返るようだった。お腹も切羽詰まった状況から一時解
放された。
 このお店の方は店先を通る全員に接待しているようだ。車の人には
タオルを接待し、小さな子であれば接待したタオルに名前を刺しゅう
してあげている。この人にとっての接待ってなんなのだろう。私はト
イレを済ませ難所へ向かった。

 標高745mにある60番横峰寺へのルートは2つある。1つは6年前に使
った歩き遍路ルート。標高300mまでは自転車で行けるがそこから先は
登山道を進む。距離にして2Km弱ではあるが前回は下りで両足首を捻
挫した。補強のためまだ装具を付けている左足首の状態でここを進む
のは自殺行為、今回はもう1つのルートを行く。
 もう1つはお寺まで自転車で行けるが山の逆斜面を登る感じ。明ら
かに遠回りである。登り口に行くまでに61番から63番を通過する。人
によっては先に63番まで参拝してから60番に向かうが私は番号の順に
参拝する。

 お腹に不安を抱えているせいなのか冷静さがなく幾度か道を間違え
た。極め付けは63番のあとの登り口を通過し5Kmぐらい走ってしまっ
たこと。戻らなくても行ける道はあったが、平坦5Km山道5Kmを余分に
走り大きく迂回するようなルートになった。
 地図上は迂回だが実際はアップダウンのある山道。苦労して本来の
道に合流したが標高はまだ180m。少し先に旅館があり、そこが恐らく
最後の給水ポイントになるだろう。

 旅館兼食堂の前で休憩していると気持ち良さそうに下ってくる自転
車を眺めた。大して荷物もなく細いタイヤでフレームも軽そう。あれ
だけ軽ければなと思った。「そうだ、軽くすればいいんだ。」良く使
った手だがうっかり忘れるところだった。
 荷台から半分の荷物を降ろし店先のベンチに置いた。お店のおじさ
んに了解を得ようと声を掛けると、「そこだと危ないから店の中にい
れな」と言ってくれた。そしてまたお腹が・・・。お店のトイレを借
りて、さあ出発だ。「今日は1時間半で登ったという人がいたよ」と
おじさんが教えてくれた。いい目標になる。

 荷物を減らしてもきつい。登って下って登って有料道路の入口に到
着。まだ標高230m。有料道路に入ってから一段と急斜面になる。有料
道路とはいっても道幅は狭くときどきすれ違えのための拡張部分があ
るような視界が悪いくねくねした道だ。蛇行は危険すぎる。
 予感どおりであった。車どうしがぶつかって言い合いになっている。
これはかなり神経を使う坂道になると覚悟した。軽いギアで思いっき
り踏み込むとウィリーするし、一度止まると漕ぎ出すのに一苦労。だ
からエンジン音が聞こえたらどこで車に抜かれるかも計算してスピー
ド調整する。
 こういう山道だと距離表示はまったく意味を持たない。今どの程度
進んでいるのか、それを確認できるのは標高だ。本当に標高計を持っ
ていて良かったと思う。

 どうにかこうにか1時間33分で横峰寺の駐車場に到着。そこから横峰
寺までは500m歩くのだが下る一方。駐車場はお寺より45mも高いところ
にあった。これだけ頑張ったのだから足の筋肉がついたことだろう。

 お腹の不安がようやくなくなりあとは慎重に下ろう。道の端は砂が
出ているし、砂のなさそうなところでもブレーキを強くかければ後輪
が前に出ようとする。そんな中でも車を何台か抜いて下ってきた。一
度だけ正面衝突の危機があったが相手の車が止まるようなスピードだ
ったので助かった。

 61番香園寺(こうおんじ)、62番宝寿寺を参拝して今日は終了。空い
ている宿が今日もなかなか見つからず、10Km弱先の西条駅前のホテル
になった。63番はこの付近なので明日ここまで戻ることになる。

5月4日(日) 西条 本日の走行距離 73.3Km

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体力勝負の一人旅 No.133【四国自転車遍路旅パート2】

【14日目・2008年5月3日】

 1年ぶりの四国だ。目的は四国八十八ケ所霊場を巡るお遍路。2000
年から2002年にかけて一度回っており、2005年から2巡目に入ってい
る。各お寺を札所といい、1番から88番まで番号がつけられている。
昨年のゴールデンウィークに38番札所から54番札所まで終えたので
今回はその続き愛媛県今治市にある55番札所から再開だ。
 札所をお参りすることを「打つ」といい、このように何回かにわ
けて1巡することを「区切り打ち」という。2巡目に入って3回目の区
切り打ち、今日で通算14日目になる。

 お昼過ぎ今治駅に到着。いつものごとく自転車はヤマト運輸の営
業所に送ってある。ヤマト運輸までは3Km弱。天気が良いのでそこま
で歩いたら汗びっちょりになるだろうと思いバスをあたってみた。幸
いにもヤマト運輸から500mぐらいのところにバス停があり、1時間に
1本しか出てないがそれが18分後だった。
 バスを利用しヤマト運輸に着いたのは13時25分。自転車を組み立て
14時37分に出発、まずはお寺ではなく今治城へ向かった。

 今日は標高255mにある58番まで行くのが目標。最悪なのは58番まで
行ってお寺が閉まる17時に間に合わないこと。また明日登り直しにな
ってしまうからだ。
 そんなこともあって今治城の天守閣へは入らず外から眺めて観光終
了。お堀の外から見た天守閣は細長くきゃしゃに感じたが、近くに寄
るとそうは見えず不思議だ。

 次は55番南光坊。今治城からは6分で到着。久しぶりに般若心経を
読んだのですらすらとはいかず、リュックから経本を取り出した。こ
うして徐々にお遍路モードになっていく。
 南光坊を出発したのは15時34分。6年前は14時47分に出て58番到着
が16時26分。厳しい状況だが諦める時間でもない。
 3Km離れている56番泰山寺(たいさんじ)へダッシュ、ダッシュ。泰
山寺の駐車場にはゴールデンウィークには珍しく観光バスが停車しよ
うとしている。団体さんより先に納経所へ行かないとと思い、本来の
参拝順を破って真っ先に納経所へ向かった。
 納経所に行くと、小さくてかわいい白い座敷犬が2匹でお出迎え。
しかし肝心のお寺の方がいない。辺りを見回し近くにいたお坊さんに
目で合図する。人間、余裕がなくなると行動にやさしさがなくなる。
反省。
 境内で写真を撮ってもらおうと思い、一眼レフを首からぶら下げて
いるご老人にお願いしたが、「今はだめ」と断られてしまった。きっ
とご老人も時間を気にしているのだろう。

 57番栄福寺を打ち終え58番仙遊寺(せんゆうじ)へ向かう。17時まで
あと33分、前回は28分で行ったのでぎりぎり間に合いそうだ。距離は
3Kmちょっとだが標高差205mを登る。33分を有効に使おうと思い飛ば
し過ぎないように心掛けた。
 あと1.5Kmの表示、時間はまだ5〜6分しか経っていない。後半坂が
きついことを知ってはいるが余裕かも。そしてだんだんと斜度がきつ
くなっていく。それでも17時には間に合うだろうと思っていたが突然
足にきた。動かない、重たい。蛇行走行になり、山門が現れたところ
で一休み。歩き遍路はここから石段を登って行くが車道はまだまだ続
く。
 斜度はさらに急になり前輪がウィリーしてしまう。慌てて片足を着
きついでに休憩。足だけでなく心配機能もいっぱいいっぱいだ。今年
で40歳になった。体力が衰えているのかもしれない。いやいや、ケガ
続きでトレーニング不足なだけ年齢は関係ない。気持ちの戦いが始ま
った。2月に靭帯損傷した左足首が痛む。持病になりつつある背中も
痛む。明日はもっと厳しい山が待ち構えているが自転車で行くのはあ
きらめるか、などと弱きになってきた。
 結局、都合3回の休憩をしてお寺に着いたのは5分前。体力を使いき
ったため宿坊に泊まろうとしたが満室だった。

 次の試練は下山して宿探し。あちこち電話したがどこもいっぱい。
昨年の宿探しの苦労が頭をよぎる。仕方なくカプセルホテルに泊まる
ことにした。ここに泊まっている他の面々もかなり電話を掛けたそう
で、明日以降も宿探しは難所の一つになりそうだ。


5月3日(土) 今治 本日の走行距離 25.6Km

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体力勝負の一人旅 No.132


 読者のみなさんこんにちは。

 待ちに待った四国です。「四国自転車遍路旅パート2」の再開です。
昨年のゴールデンウィークは愛媛県今治市にある54番札所延命寺まで
到達しました。今年はその続きです。

 今回は明日5月3日(土)〜7日(水)の5日間のみですが、四国遍路の模
様をお伝えしていきます。お楽しみに。

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体力勝負の一人旅 No.131


ゴールデンウィークまで1ヶ月を切りました。

昨年12月の右足小指骨折、2月の左足関節靭帯損傷はまだ完治していま
せんが自転車には乗れます。

お約束の四国遍路はなんとしても行きます。

昨日ゆっくり10キロジョギングしただけでももの裏に張りを感じまし
た。体力低下は否めません。しかし四国は修行の場。四国で体力を元
に戻す意気込みで臨みます。

最初の二日間はきついだろうな。

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